B: アセトアニリドのニトロ化と加水分解による
p-ニトロアニリンの合成 (テキスト pp.102-105
 

手順3
3. 薄層クロマトグラフィー(TLC)による副生成物o-ニトロアニリンの検出
  p- ニトロアニリンの粗製試料と精製試料に副生成物o- ニトロアニリンがあるかどうかを薄層クロマトグラフィー法によって調べる。 p- ニトロアニリンの粗製試料と精製試料について、次のように試料溶液を調製する。スパーテルで半さじ分ほどの結晶をサンプル瓶(10 ml)にとり、0.5 mlの1,2-ジクロロエタンを加えて溶かす。広口瓶へ深さが約5 mmぐらいになるように1,2-ジクロロエタンをいれて密栓しておく。

 TLC シートのざらざらな面の一端から約 10 mm のところに鉛筆でうすく出発線をひく。TLC シートはシリカゲルを吸着剤としてプラスチック薄板(66×25 mm)に塗布したものである。粗製と精製の2つの試料を出発線上に約5 mmの間隔で付着させる。このためには、試料溶液を毛細管に取り、毛細管の先端をTLCシートの出発線上に垂直に軽く接触させて 試料溶液をTLCシートに浸み込ませる。約 2 mm の直径の小さな円ができるように毛細管に取る液量を調節する。

(下のように、垂直に「トン!」と軽く触れる。円が小さすぎるときは上から重ねてもう一回。左右、どちらが粗製・精製かわからなくならないように。)

広口瓶の栓を開け、TLCシートの下端が水平になるように瓶の内壁に静かにもたせかけ、栓をする。溶媒が下から展開していくので、上昇した溶液の先端がTLCシートの上端から約10 mmのところまできたところでTLCシートを取り出し、直ちにその位置に、鉛筆で印(線)をつける。

(下のように、黄色いスポットが溶媒につられて上昇していくのがわかる)

(溶媒を乾燥させた)TLCシートに紫外線をあてると...
点状に蛍光が出てくるので、そこに鉛筆で印をつけ、移動率(Rf)を計算する。粗製p-ニトロアニリンに副生成物のo-ニトロアニリンがあるかどうかを確かめる。

(移動率は出て来たスポットそれぞれについて求める。・・・同じ移動率なら同じ化合物か?何が移動率を決めているの?)

(粗製試料にもo-ニトロアニリンが含まれないこともある。(決して悪い結果というわけではない)・・・なぜか考察しよう。精製試料にo-ニトロアニリンが含まれていれば、再結晶に問題があったのでは?・・・冷やし過ぎていないか?たまに、ニトロアニリン以外にゴミのスポットもあらわれることもある。・・・どんな理由が考えられるか?)
 



 
 
 
 

うまくスポットは観察できましたか?融点の幅は狭かった(〜3℃)ですか?値は文献値と近いものでしたか?収率は満足のいくものでしたか?
 

考察のヒント!

収率が低くなった可能性のある原因をすべて書きましょう。特にどれが主な原因か? 必須!
なぜ、融点は文献値より高く(低く)なったのですか?なぜ幅は広くなったのですか? 必須!
なぜ、p-ニトロアニリンが優先的に生成するの?
なぜ、再結晶で、p-ニトロアニリンのみが(先に)結晶化するの?
なぜ、TLCでp-ニトロアニリンのスポットがo-ニトロアニリンに比べて下にでるの?
目皿付きロートでの吸引ろ過は(自然ろ過、ブフナーロートと比べて)どういうときに有効か?
ニトロ化の副生成物として他にどんなものが生成すると予想されるか?それを防ぐためにはどうすればよいか?
なぜ、加水分解の直後では溶けていたものが、中和によって析出してきたのか?・・・などなど。



              
手順2-2へ             
 
 

      
テーマB先頭へ     学生実験ホームへ